特定秘密の指定におけるODA関連情報等の取り扱いについて外務省と協議しました
~2016年度第1回ODA政策協議会の報告~

2016年7月28日、NGOと外務省とがODA政策のあり方について協議する場であるODA政策協議会の2016年度第1回の会議が開催されました。NANSLから報告議題「ODAに関わる情報の公開と特定秘密保護法に基づく情報の取り扱いについて」を提出し、外務省に報告を求めました。


特定秘密保護法は1年間の実施状況について報告するよう規定しており、2015年度中の実施状況についての報告書である「特定秘密の指定及びその解除並びに適正評価の実施状況に関する報告書」が、2016年4月に閣議決定されました。 これによると、外務省が取り扱う情報のうち特定秘密に指定された情報は①平成27年中に外国の政府等から国際情報統括官組織に対し提供のあった情報(2-⑭)が1件、②外国の政府等から総合外交政策局に対し提供のあった情報(2-⑭)が1件、③国際テロリズムに関する人的情報収集に関する情報(2-⑯)が1件、合計3件と報告されています。 NANSLは二つの事項の確認を求めました。一つは、2015年度中に秘密指定された情報の中にODAに関する情報が含まれていないか、あるいはNGOの活動に重大な影響を及ぼす恐れのある情報は含まれていないかの確認。 もう一つは、NANSLが2014年度第3回の協議会において外務省に求めた事項に対する回答です。NANSLはその際、他省庁の事例をあげて、ODAに関する業務内容については特定秘密に指定しない旨を明言した文書を作成するよう求めました。これに対して、担当室長から他省庁の例について精査したい、関係部局とも相談したいとの回答があり、その結果について回答を求めたものです。


前者に関して、外務省は上記報告書に記載された3件の情報のなかに国際協力局が主管として取り扱うODAに関する情報を対象とする指定は含まれていないと答えました。合わせて、防衛・外交、スパイ活動、テロリズムの秘密指定の三要件に照らして、ODA関連の実施に関わる業務内容が特定秘密の対象となることはないと考えるという趣旨の発言もありました。 また、現地の治安情勢に関連する情報のなかには特定秘密の要件に該当するものが含まれることは理論的にはあり得るとしつつ、仮にこうした情報があった場合には情報の評価を海外安全情報に反映させ、NGO等の援助関係者に適宜、適切に提供するよう心掛けたいとの発言もありました。


ODAに関する業務内容を秘密指定から除外することを明言する文書の作成に関しては、ODA政策協議会の場で協議が行われ、その議事録が逐語で公開されていることであり、それによって外務省の考え方が示されていると考えるので、特に文書にする必要はないと判断したとの答えがありました。


これに対して、NANSLからはODAに関する情報と秘密保護法との関係についてはこうした協議の場でこれからも適宜協議をしたい、ODAに関する情報の秘密指定除外の文書化を引き続き求めたい旨を伝えました。 また、外務省の説明にあった海外安全情報の提供に関しては、危険と判断する裏づけとなった情報の信憑性と重大性を、NGOが持っている情報と照らして判断するなかでNGO独自に適切な行動ができるよう、危険情報の共有のあり方を議論したい旨を伝えました。


NANSL提出の議題については下記の【資料のダウンロード】をご参照ください。 議事録については外務省のホームページに公開されましたらお知らせいたします。



2017 年4月7日 NANSL事務局作成