秘密保護法FAQ  秘密保護法対策弁護団監修

[FAQ-003]

【Q】秘密保護法には「特定有害活動」や「テロリズム」という言葉が何度も出てきています。これらは何を指しているのでしょうか。NGO活動にも関わるのでしょうか。


【A】まず、「特定有害活動」は、秘密保護法第12条第2項に「~その他の活動であって、外国の利益を図る目的で行われ、かつ、わが国及び国民の安全を著しく害し、又は害するおそれのあるもの」と定義されています。
 しかし、この定義は極めてあいまいであり、たとえば反戦運動さえも「特定有害活動」に含まれかねません。
 2014年7月の閣議決定を前提にすると、集団的自衛権を行使して自衛隊が戦闘する場面(集団的自衛戦争ともいうべき場面)が生じた場合、そういう「集団的自衛戦争」に反対する活動、自衛隊の海外での武力行使に反対する活動というのは、攻撃対象とされる外国の「利益を図る」もので、かつ「自衛を妨害する=国や国民の安全を害する」と評価されるおそれがあります。
 アフガン戦争やイラク戦争など集団的自衛権が主張された戦争はたくさんあります。紛争地で支援活動をしているNGOが、そうした地域への武力攻撃や自衛隊の参戦に反対した場合、「特定有害活動」とみなされる危険があります。
 次に、「テロリズム」は、「政治上その他の主義主張に基づき、国家若しくは他人にこれを強要し、又は社会に不安若しくは恐怖を与える目的で人を殺傷し、又は重要な施設その他の物を破壊するための活動」(第12条第2項)と定義されています。
 しかし、この定義も曖昧であるうえ、ある集団の活動が「テロリズム」にあたるかどうかの判断が政府に委ねられているという点でも、問題があります。
 ある国の政府が少数派の民族や宗教を迫害・弾圧している、という事態は珍しいことではありません。その国の政府が、少数派による抗議活動を「テロリズム」とみなして弾圧を正当化していることさえあります。そのため、政府から迫害されている少数派の人々を支援するNGOの活動が、「テロを支援する」「テロリズムと関わる」とみられてしまう危険は否定できません。
 また、NGOは、アメリカや日本から「テロ支援国家」と位置づけられている国々で医療や教育等の人道支援活動をすることもあります。その場合、そうした支援活動が「テロ支援国家」の負担を肩代わりしているとみなされるかもしれません。
 このように、「テロリズム」をどう線引きするのかは曖昧であり、NGOによる人道支援活動も「テロリズムと関わっている」と言いがかりをつけられる危険があります。
 秘密保護法は、「特定有害活動」や「テロリズム」を「防止するための措置」がとられることを前提に、そうした「措置」の中身を秘密に指定できる、という仕組みになっています。NGOの活動が「特定有害活動」とみなされることは、NGOの活動を「防止するための措置」が今以上に秘密裏に実施されること、NGO職員が監視対象とされることを意味します。